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軍強化改正案、圧倒的多数で承認 エジプト

2014年1月19日 8:23

 エジプトで行われていた軍の権限を強化する憲法改正案の国民投票について、選挙管理委員会は18日、賛成約98%の圧倒的多数で改正案が承認されたと発表した。首都カイロから富田徹記者が報告する。

 選挙管理委員会は18日、カイロで会見を行い、憲法改正案の国民投票で賛成が98.1%に上り承認されたと発表した。改正憲法は軍の権限を強化する内容が盛り込まれており、軍と対立するモルシ前大統領の支持派は抗議活動を展開。しかし、圧倒的多数で承認されたことで、クーデターで実権を握った軍は国民の信任を得たとして自信を深めることになりそうだ。

 そんな中、人々の関心は次の大統領選挙に移っている。暫定政権は今後、選挙の日程について調整に入る方針だが、街中にはすでに軍のトップ・シシ国防相の写真があふれている。シシ国防相も「国民の要請があれば」と意欲を見せており、今回の投票結果を受けて出馬を決断するかどうかが注目されている。

 軍出身のムバラク元大統領が民主化デモで退陣してからまもなく3年、エジプトには再び軍を中心とした強権体制復活の足音が響き始めている。