年末に起きた連続テロを受け、ロシアのプーチン大統領は先月３１日、「テロリストを根絶する」と宣言し、来月に迫ったソチオリンピックに向けて治安の確保に全力を挙げる考えを強調した。

　プーチン大統領は、新年を迎えるにあたっての国民向けテレビ演説で、「テロリストを根絶するまで強硬で一貫した戦いを続ける」と決意を示した。武装勢力の掃討作戦を徹底的に行う姿勢を強調したものとみられる。

　ロシア南部のボルゴグラードでは、先月２９日に鉄道の駅で爆発があり１８人が死亡、翌３０日にはトロリーバスが爆発して１６人が死亡した。捜査当局は、いずれも男による自爆テロとみてロシア南部に拠点を置く武装勢力との関係を調べている。

　ロシア南部のソチでは来月、冬のオリンピック開催を控えている。独立派武装勢力は「ソチでは、かつて帝政ロシアとの戦いで多くのイスラム教徒が死亡した」としてオリンピック阻止を呼びかけており、プーチン大統領は政権の威信を懸けて治安の確保に取り組む構え。