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特定秘密保護法案、参院安保特別委で可決

2013年12月5日 18:03
特定秘密保護法案、参院安保特別委で可決

 国会は6日の会期末を前に、特定秘密保護法案をめぐる攻防が山場を迎えた。与党側は5日午後4時過ぎ、参議院国家安保特別委員会で法案の採決に踏み切った。反対する民主党議員が委員長に詰め寄る中、与党の賛成多数で法案は可決された。

 参議院特別委員会では5日午後4時過ぎ、与党議員の動議により審議が打ち切られ、特定秘密保護法案が採決された。民主党などが反対する中、法案は自民・公明両党の賛成多数で可決された。与党側は5日中に参議院本会議で採決し、成立させる構え。

 法案をめぐっては5日朝、自民・公明の与党側と日本維新の会やみんなの党が特定秘密の妥当性をチェックする機関のあり方について協議し、独立性を確保するため内閣府に新しい組織を作ることでは一致。さらに午後の委員会では、菅官房長官が「法律の施行前に内閣府に20人規模の新たな組織である情報保全監察室を設置。その後、局に格上げすることを約束する」などと答弁した。与党側はこれをもって環境は整ったと判断し、採決に踏み切ったものだが、野党側は反発している。

 民主党・福山哲郎参議院議員「こんなこと、今までの国会ではあり得ません。もう怒りを通り越して情けない状況。我々としては断固このことに対して抗議をし、この審議打ち切りは認められない」

 また、みんなの党は「審議の打ち切り」に反対し、退席。日本維新の会は採決の際、「対応を協議したい」として席を外していた。

 与党側は5日夜に参議院本会議でも採決し、成立させる構え。「徹底審議」を求める野党側に対し、安倍首相は「会期は金曜日まであるので、しっかりと議論を深めていく機会は十分ある」と話していた。しかし、5日、採決に踏み切ったことで、結果的に衆議院の段階で与党と修正合意していた日本維新の会やみんなの党の同意も取り付けることができなかった。民主党は徹底抗戦の方針で、山崎参議院議長の不信任決議案や安倍首相の問責決議案の提出を検討しており、会期末を6日に控え、5日夜も遅くまで与野党の攻防が続く。