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米副大統領が習主席と会談へ 中国から中継

2013年12月4日 17:47

 アメリカのバイデン副大統領は、4日から中国を訪問している。バイデン副大統領は4日夕方に李源潮国家副主席と会談したとみられ、習近平国家主席との会談にも臨む。現地からNNN北京の中村光宏記者が中継する。

 防空識別圏の設定発表以来、関係国が中国の首脳と直接協議するのは初めてだけに、この機会にバイデン副大統領がどこまで強い態度を示せるかがポイント。ただ、中国側が一度発表したものを撤回することは、めんつにかけても、中国の国内世論を考えても難しいとみられることから、日本が求める「撤回」という言葉までは使わないことも考えられる。

 会談を前に、ホワイトハウスのカーニー報道官は「アメリカは、中国に対し、防空識別圏を履行しないよう促す」と述べた。

 つまり、撤回までは求めないとしても、戦闘機を緊急発進させるような「実際の行動」には移さないよう求める可能性があることを示唆した形。バイデン副大統領はまた、日本と中国の間で衝突など意図せぬ事故が起きることを防ぐため、日中間で危機管理メカニズムなどを設置することを提案することにしている。

 中国側は、防空識別圏の設定は「国際法などに合致する」と主張していて、バイデン副大統領の「懸念」表明には反発することも予想される。ただ、日本への強い姿勢とは切り離した対応を取るものとみられる。

 中国外務省は「アメリカとは対抗せず、衝突しないで、互いに尊重して協力関係を進めていきたい」と強調している。防空識別圏の問題が、米中関係全体に影響を及ぼすことを避けたいとの考えがあるとみられ、危機管理をめぐるバイデン副大統領の提案には柔軟な姿勢を見せる可能性もある。