北朝鮮の人権問題を調べる国連の調査委員会が２９日、アメリカ・ニューヨークで報告を行い、横田めぐみさんら拉致被害者の家族の苦しみに言及した上で、北朝鮮に深刻な人権侵害があると改めて強調した。

　調査委員会は北朝鮮の人権問題を調査する目的で今年３月に発足し、２９日、国連でこれまでの調査について報告を行った。調査委員会のカービー委員長らはその中で横田めぐみさんの名前を挙げて、「娘は幸せか、それとも亡くなったのか」と訴える母親・早紀江さんの言葉を紹介した。

　北朝鮮は自国内での調査を拒んでいるが、調査委員会はこれまでに脱北者や拉致被害者家族など、２００人以上から聞き取り調査を行っている。その結果として、「北朝鮮で大規模で組織的な人権侵害が行われているとみられる」との認識を示した。