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安保理、シリア内戦開始以来初の決議を採択

2013年9月29日 1:30

 国連の安全保障理事会は27日、シリアに化学兵器廃棄を義務づける決議案を採択した。シリアで内戦が始まって以来、安全保障理事会でシリア政府に対する決議を採択したのは初めてのこと。

 今回の決議案は、OPCW(=化学兵器禁止機関)が来月1日までにシリアでの査察に着手することや、製造設備を11月1日までに破壊させることなど、化学兵器廃棄に向けた工程を決めたことを受け、採択されたもの。決議では、シリアに対しOPCWの決定に従うよう求め、従わない場合は、国連憲章第7章に基づき、武力行使を含む制裁措置を検討することも盛り込まれている。

 国連・潘基文事務総長「何か月もの間、シリアで化学兵器の使用が確認されれば、各国が一致し、確実な対応が必要だと言ってきた。今夜、国際社会はそれを実現した」

 シリア・ジャファリ大使「この決議の内容がまとまるまでの各国の努力は、シリア政府も理解している」

 ただ、シリア政府が保有する化学兵器は約1000トンに上るとされ、廃棄には膨大な作業が伴うとみられる。