東日本大震災から2年半…被災者からの声
東日本大震災の発生から11日で2年半。被災地ではガレキの処理は進んでいるが、復興はまだ道半ばだ。宮城県で、被災した人たちの声を聞いた。
■石巻市の仮設住宅で
入居者男性「震災というものが徐々に風化されてきたのではないかと感じる」
入居者女性「高台移転の位置を早く決めてほしい。70過ぎた夫婦がここ(仮設住宅)にいるのが一番ひどい」
■南三陸町の仮設商店街で
文房具店の女性「地元の人たちだけでは、この商店街も今のところ成り立っていないし、(外から)来てくれるかどうか、忘れられてしまわないか一番怖い」
鮮魚店の男性「ここ(仮設店舗)で営業できるのが、あと2年か3年くらいだが、海の方のそばに移る予定だが、どうなるかわからないのが不安」
クリーニング店の女性「2年半長かったような、短かったような。まだ状況つかめない。大変だった。(地元は)人口がどんどん減っている。買いものする人もどんどん減っている」
* * *
震災で住まいを失った人たちのための災害公営住宅は、県内で約1万5000戸の建設が計画されている。そのうち56%の工事が先月末までに始まっているが、完成したのは117戸と、全体の0.8%にとどまっている。
また、集団移転事業で造成が始まったのは85地区と、8月末現在で全体の44%で、計画の半分にも達していない。
一方、仮設住宅に暮らす人は8月末現在、「みなし仮設」も含め9万4413人となっている。
この他、県の推計で1060万トンに上る沿岸15市町の災害廃棄物は、今年7月末現在、そのうちの86%にあたる、約910万トンの処理が終わった。ガレキの処理は来年3月までに全て完了する予定。