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米政府、アサド政権の化学兵器使用根拠公表

2013年8月31日 13:16

 シリアで化学兵器が使われたとされる問題をめぐり、アメリカ政府は、アサド政権が化学兵器を使った根拠を示したとする報告書を公表した。オバマ大統領は議会や同盟国との協議を重ね、軍事攻撃に踏み切るかどうかの最終判断を行う考えを示した。

 報告書は、アサド政権側が化学兵器が使われる3日前からガスマスクを備えるなどして攻撃を準備していたと指摘し、ミサイルや砲弾がアサド政権の支配地域から発射されたと断定している。ケリー国務長官は、死者は1429人に上るとし、「報告書が事実であることに確信を持っている」と強調した。ただ、判断材料となった情報や記録そのものは機密だとして示しなかった。

 一方、オバマ大統領は「軍事攻撃に踏み切るかどうかの最終決断はまだしていない」とした上で、次のように述べた。

 オバマ大統領「何も行動しなければ(化学兵器使用禁止の)国際規範は意味がないというメッセージになる」

 オバマ大統領は、軍事攻撃を行う場合でも、あくまで限定的で小規模なものを検討していると強調。攻撃への理解を取りつけるため、議会側への説明を重ねた他、イギリス、フランスの首脳と電話会談を行うなど、最終判断に向け、協議を続けている。