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シリア軍事攻撃 英断念も米は実行の構え

2013年8月30日 12:58

 シリアの化学兵器使用問題で、軍事攻撃に積極的な姿勢を見せていたイギリスのキャメロン首相が29日、攻撃参加を断念する意向を表明した。一方、アメリカはあくまでも軍事攻撃に踏み切る構え。

 イギリスでは29日、議会・下院が緊急招集され、キャメロン首相が提出したシリアへの軍事攻撃を容認する動議について審議した。キャメロン首相は事前に、現在シリアで行われている国連の調査結果を待つことなどを野党側に譲歩したが、議会では与党内からも慎重論が続出し、動議は反対285、賛成272の反対多数で否決された。

 キャメロン首相は採決終了後、「国民の意を反映する議会が軍事攻撃を支持しないことがはっきりした。この結果に従って行動する」と述べ、シリアへの軍事攻撃を断念する意向を示した。イギリスではイラク戦争の反省などから、最新の世論調査でも国民の半数が攻撃に反対していた。

 一方、国連では29日、安保理常任理事国5か国が前日に続き協議した。軍事攻撃を認める決議案にロシア、中国が反対しており、協議は約40分で終了、再び平行線のままだった。