エジプトでモルシ大統領と反大統領派の対立が激化していることを受け、軍は「憲法を一時的に停止し、最高憲法裁判所の長官が大統領の職務を代行する」と発表した。事実上のクーデターで、モルシ大統領の排除に踏み切った形。

　エジプトのシシ国防相は日本時間４日午前４時から国民向けにテレビ演説を行い、モルシ大統領から権限を奪ったことを明らかにした。

　シシ国防相「（昨日のモルシ大統領の演説が）国民の希望に応えていなかった。そのため、私たち軍が全ての諸派と協力して、国民の希望に対応する義務が生じた」

　シシ国防相は、憲法を一時的に停止し、最高憲法裁判所の長官が４日に暫定大統領に就任すると発表した。その上で、できるだけ速やかに大統領選挙を行う方針を示している。

　一方、排除された形のモルシ大統領は交流サイト「フェイスブック」を通じ、「私は今も大統領だ。解任は拒否する」などと反発を示している。

　中東の衛星テレビ局・アルジャジーラは、大統領が軟禁されたと伝えているが、詳しいことはわかっていない。