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西日本で記録的大雨、26地点6月史上1位

2013年6月20日 17:37
西日本で記録的大雨、26地点6月史上1位

 活発な梅雨前線の影響で、西日本を中心に大雨となっている。山口県では観測史上最も多い雨の量を記録し、今後も四国などで激しい雨が予想される。また、台風4号が21日にかけて九州に接近する見込み。

 20日午後4時までに降った24時間の雨量は、西日本の広い範囲で100ミリ以上に達し、紀伊半島では200ミリ以上の大雨となっている。20日までに観測された24時間の雨量は、和歌山県や広島県などを中心に、全国の26地点で6月の観測史上1位となった。

 さらに、降り始めからの総雨量は20日午後4時までに広島県北広島町八幡で320.5ミリ、山口県萩市須佐で318.5ミリ、和歌山県那智勝浦町色川で295.5ミリなど、300ミリ前後に達する記録的な大雨となっている。この後、活発な梅雨前線に加え台風4号も北上してくるため、21日にかけて大雨が続くおそれがある。

 福岡県内では20日午後2時までの1時間で、25ミリ以上の強い雨が降った地域もあった。福岡管区気象台によると、台風4号の接近に伴い、20日夜から21日昼過ぎにかけて局地的に雷を伴った激しい雨が降るおそれがある。21日午前6時までの24時間の雨量は、多い所で100ミリ~150ミリと予想されている。

 また、台風4号が最接近するのが21日午後1時頃で、陸上で12メートル、海上で15メートルの強風が予想されている。このため、一部海の便に影響が出ている。博多と長崎の五島を結ぶフェリーの20日夜の便と、21日午前中の2便の欠航が決まっている。

 梅雨前線の影響は和歌山県南部にも及び、これまでに250ミリを超す雨が降っている。和歌山県白浜町では、雨脚は急に強くなったり弱まったりを繰り返しながら降り続いていて、予断を許さない状況。同町ではこの24時間で210ミリと、6月の観測史上最も多い雨が降った。現在も和歌山県南部を中心に、雨が降り続いている。

 和歌山県那智勝浦町では20日午前6時15分、那智川の水位が通常より1.5メートルほど上がったため、733世帯1517人に対して避難準備情報が出された。これを受け、20日午前6時過ぎから一部の地域で住民が避難を始め、現在は13世帯16人の住民が避難している。午後4時までの24時間では既に290ミリを超える雨が降っており、6月の観測史上最も多い雨を記録している。

 また、2011年の台風12号で橋が流された長野川では、土のうを積み上げて仮の橋をつくっていたが、川の水位が上がり一部が崩れ落ちた。この橋は現在通行禁止となっている。また、高速道路では阪和道の御坊IC~田辺ICで上下線が通行止めになっている。

 和歌山県内では、これまでに大きな土砂崩れやケガ人などの情報は入っていないが、21日にかけてさらに250ミリの雨が降る見込みで、地盤の緩みや川の急激な水位の増加について、県などが注意を呼びかけている。