×

火山噴火予知連絡会 八甲田山が初の議題に

2013年6月18日 21:33
火山噴火予知連絡会 八甲田山が初の議題に

 火山活動について総合的な判断を下す「火山噴火予知連絡会」が18日午後に行われ、初めて青森県の八甲田山が議題に上がった。

 八甲田山には豪雪で有名な酸ヶ湯温泉をはじめ、温泉も多くある。気象庁では噴火の記録がない八甲田山だが、火山活動による事故も起きている。1997年には炭酸ガスの影響で、訓練中の自衛隊員3人が死亡。2010年には山菜採りに来ていた女子中学生が硫化水素で死亡していて、どちらも火山ガスが原因だった。

 こうした火山ガスや温泉は火山の特徴。八甲田山は噴火していない休火山と言われていたが、現在では活火山に分類されている。活火山とはおおむね1万年以内に噴火した火山および、現在、活発な噴気活動のある火山のこと。現在、日本には富士山、桜島などを含めて110の活火山がある。このうち、活動が活発として気象庁が24時間、監視をしているのは47の活火山。この47の活火山に含まれていない八甲田が、火山噴火予知連絡会で議題に上がるのは異例のこと。

 これまで八甲田山は、目立った火山活動はなかった。今回の地震で、すぐに火山噴火につながることはないが、今後、火山活動の活発化につながるのか、詳しく調べる必要があるという。

 一方、一般的に火山活動の活発化と、大規模な地震は関連があると指摘する専門家もいる。マグニチュード9.0を観測した東日本大震災では、大きいところでは数メートル東に地殻が引っ張られるケースもあった。福島県の吾妻山などでは、火山活動が活発化した。火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長によると、東日本では今後、火山活動が活発になる可能性もあるとしている。八甲田山でも東日本大震災以降、地震の回数が増加し、今年2月からは、さらに回数が増えている。今回の会議に先駆けて、すでに気象庁では新たな観測機を設置し、細かい変化を観測できる態勢づくりに努めている。

 気象庁によると、地震が増えているからといって即座に噴火につながることはないが、今後も注意深く観測を続けるという。