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参院選をにらみ… 各党がし烈な駆け引き

2013年5月28日 19:44
参院選をにらみ… 各党がし烈な駆け引き

 日本維新の会の橋下共同代表は27日、自らの一連の発言などについて会見を行い、一部の内容を撤回、謝罪する一方で、発言の真意を改めて説明しました。こうした中、参議院選挙もにらんで各党の駆け引きが激しくなり始めています。

 「不適切な表現でしたので、この表現は撤回するとともにおわび申し上げます」

 神妙な面もちで語った日本維新の会の橋下共同代表。沖縄のアメリカ軍に風俗業を活用するよう提案したことを撤回、謝罪したのです。また、旧日本軍の従軍慰安婦をめぐる一連の発言などによって、諸外国から批判を招いた責任についてはこう述べました。

 「国民がノーと言えば、次の参議院選挙で維新の会は大きな敗北になるでしょう。そして、その選挙結果を受けて、党内で私自身が代表のままでいられるのかどうなのか、代表のままにつかせるのかどうなのか、党内で議論が生じると思います」

 参議院選挙の結果次第では、共同代表を退く可能性もあるとの考えを示しました。党の看板である橋下共同代表。自らの発言が批判を招き、参議院選挙を控えて党の勢いに弾みがつかない状況になっています。

 一方、その維新の会との選挙協力を解消した、みんなの党の渡辺代表は27日、維新の会についてこう述べました。

 「私も随分合流しようって言われたが、ちょっと合流するのはまずいかなって当時も思ってました」

 石原共同代表の考えは“右寄りである”と指摘し、維新の会の支持率が高かった2012年の時点から相いれないだろうと思っていたことを明かしました。

 「だから合流しようって誘われても、まずはデートかなとか言って逃げましたね。そういう心配がここへもってきて当たっちゃったなと思いますね」

 渡辺代表は、今回の事態は予測できたことだと分析しました。

 一方、長野県のりんご農家を訪れたのは、民主党の細野幹事長。霜が降りるなど、異常気象の影響でりんごの実がならない状況を視察しに訪れたのです。りんごの生産者から「最終的にはお金にならないというか、もう実が大きくならない」との報告を受けた細野幹事長。

視察後に記者から問われたのは、“みんなの党との協力”についてでした。実は、民主党は先週末、みんなの党から参議院選挙の定数が1人の選挙区で協力できるか、検討を呼びかけられていたのです。これについて細野氏はこう語りました。

 「これまでみんなの党は維新と一緒にやっていたわけで、これはなかなか民主党とは一緒にできないというわけできたわけです。そこのスタンスがみんなの党が変わったと受けとめている。具体的にどうするかというのは個別に可能性があるかということも含めて考えていくことになると思う」

 みんなの党が維新の会との選挙協力を解消したことで、民主党との間で協力関係は築けるのでしょうか。

 一方、安倍首相は、日本の首相として36年ぶりにミャンマーを訪問しました。「ミャンマーの新しい国づくりを、日本は官民の持てる力を総動員して一丸となって応援していきます」と語った安倍首相。テイン・セイン大統領との間で、インフラ整備支援などのため約910億円のODA(=政府開発援助)を実施することなどで合意しました。慌ただしい日程を縫って現地の小学校を訪れた際には、笑顔で迎えられたあと、子供たちと綱引きをしました。なんと、一気に引っ張られて負けてしまいました。元気いっぱいな子供たちには安倍首相も完敗だったようです。

 参議院選挙が7月21日に行われることが固まりつつある中、各党の駆け引きやアピールが激しくなりそうです。