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iPS細胞から血液のもと、東大が作製成功

2013年5月15日 1:34
iPS細胞から血液のもと、東大が作製成功

 東京大学の研究グループが、iPS細胞(=人工多能性幹細胞)から血液のもとになる造血幹細胞を作り出すことに成功した。今後、白血病など血液の病気の根本的治療につながることが期待される。

 発表を行った東京大学の中内啓光教授らは、遺伝性の血液の病気を持つマウスからiPS細胞を取り出し、正常な遺伝子を組み込んだ上で特別なタンパク質とともに再び体内に移植した。すると、マウスに出来た良性の腫瘍の中で血液のもととなる造血幹細胞が生み出され、正常な血液が作られるようになったという。さらにヒトのiPS細胞からも同様にマウスの体内を利用して造血幹細胞を生み出すことができたという。

 今後、白血病や免疫不全症などの根本的な治療に応用できる可能性があるということだが、臨床試験までにはまだ5年から10年はかかるという。