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安倍首相 “憲法改正”に改めて意欲

2013年4月23日 19:38
安倍首相 “憲法改正”に改めて意欲

 最近、永田町でにわかに注目されているのが“憲法改正の問題”です。23日の参議院予算委員会でも安倍首相は憲法の改正に改めて意欲を示しました。なぜ、いま憲法を改正しようとしているのでしょうか。

 23日朝、安倍首相は参議院の予算委員会で憲法改正についてこう述べました。

 「わたしは自民党の総裁としては、ぜひ96条の改正にチャレンジしていきたい」

 首相が意欲を示すのは憲法96条の改正。いったい憲法96条とは、どんなものなのでしょうか。

 憲法96条とは、憲法の改正を提案するのには衆議院、参議院、それぞれ議員の3分の2以上の賛成が必要と定めた条文です。憲法改正は国会による提案を受けて、最終的には国民投票によって決めることになっています。国会で3分の2以上の賛成が必要という条件を、過半数の賛成で憲法改正を提案できるように引き下げるべきだという論議が出てきているのです。安倍首相もこう語りました。

 「我が国は、憲法制定して以来、60数年にわたりまったく手をつけていない。なぜかと言えば、やはりこの改正条項(96条)が非常に厳しい改正条項になっている」

 まずは憲法改正をしやすくするため、96条を改正すべきと主張したのです。さらに、安倍首相は「7月の参院選も我々は堂々と96条の改正を掲げて戦うべきだと(自民党)総裁としてはそう考えている」と、この夏の参議院選挙で憲法96条の改正を争点にしたいとの考えを示しました。

 にわかに浮上してきた憲法96条改正問題。安倍首相の周辺によりますと、その背景には国民世論があるといいます。NNNが4月に行った世論調査では、59.7%の人が「憲法改正が夏の参議院選挙で投票先を判断する重要な争点になると思う」と答えています。

 一方、自民党と連立を組む公明党の山口代表は、こう語りました。

 「(憲法の)どこをどう改善するかについては、国民の皆さまはまだ戸惑っている。(憲法改正の)議論が到底、熟しているとは(国民は)思われないと思う」

 憲法改正の論議に慎重な姿勢を示しました。

 また、野党第一党の民主党でも、憲法96条の改正については賛否両論あり、決して一枚岩とは言えないのが現状です。民主党の海江田代表は「どこを改正するのかということになると、これもまた大きな意見の違いがあると思うから、どこを改正するのかという議論をしなければいけない」と述べました。

 安倍首相が参議院選挙の争点にかかげた憲法96条の改正。今後、参議院選挙に向けて各党の議論が注目されます。