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生きたままの生物、電子顕微鏡観察に初成功

2013年4月16日 4:28
生きたままの生物、電子顕微鏡観察に初成功

 生物を人工的な膜で覆うことで、これまで出来なかった、生きた状態のまま電子顕微鏡で観察することに、研究チームが初めて成功した。

 電子顕微鏡は、真空状態の中に対象物を入れて観察するため、生物を生きた状態のまま観察することは不可能とされてきた。今回、浜松医科大学の針山孝彦教授らの研究チームは、生物の体にある化学物質の溶液を塗り、電子顕微鏡の電子線を当てると薄い膜で覆われることを発見し、これを「ナノスーツ」と名付けた。

 この膜は、体内の水や空気を逃がさず、宇宙服のような役割をするため、生物は真空状態でも生き続けることができ、高い解像度の電子顕微鏡で生物を生きた状態のまま観察することが初めて可能になったという。

 これにより、体の微細な構造や動く仕組みなどがわかるだけでなく、今後、医学分野などへの応用も期待されるという。