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衆院選新区割り案勧告 格差1.998倍に

2013年3月29日 0:13
衆院選新区割り案勧告 格差1.998倍に

 衆議院選挙の「一票の格差」を是正するため、現在の小選挙区の区割りの見直しを進めていた政府の審議会は28日、新たな区割り案を決定し、安倍首相に勧告した。

 勧告によると、見直しの対象となったのは全国の17の都と県で、選挙区の数は42に上っている。具体的には、去年11月に成立した5つの選挙区を減らす「0増5減」の関連法で対象となった山梨、福井、徳島、高知、佐賀の5つの県で、小選挙区の定数を3から2に減らす。

 さらに、鳥取県の区割りを見直し、約29万人となる新しい鳥取2区の人口を基準に、これよりも人口が少なくなる選挙区が出る青森、岩手、宮城、茨城、和歌山、愛媛、長崎、熊本の8つの県と、2倍以上となる東京、千葉、神奈川の3つの都や県で区割りを見直している。

 この結果、人口でみた「一票の格差」は現在の2.524倍から1.998倍に縮小される。政府は勧告を踏まえ、来月中に公職選挙法の改正案を国会に提出することにしている。

 衆議院選挙の「一票の格差」について違憲判決が相次いだことから、政府・与党は、格差を2倍未満に抑える「0増5減」を最優先で実現したい方針。その上で、定数削減を含む衆議院選挙制度の抜本改革として「比例代表の定数を30削減する」などとした案を今後、野党側に提案する考え。

 これに対し、野党側は「0増5減」だけでは不十分な上、与党の抜本改革案も「認められない」として、さらなる定数削減などが必要としている。民主党は、衆議院の定数を小選挙区で30、比例で50の計80削減する法案を取りまとめる方針だが、与野党が合意できる見通しは立っていない。