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安倍政権発足3か月 政権のキーマンを直撃

2013年3月26日 19:35
安倍政権発足3か月 政権のキーマンを直撃

 第2次安倍内閣は26日で発足から3か月となります。2度目の政権運営は今のところ順調な安倍首相ですが、その要因は何なのか、首相の側近であり政権のキーマンに聞きました。

 26日朝、官邸に入る安倍首相に記者が声をかけました。

 記者「総理、おはようございます。今日で就任3か月ですが、意気込みをお願いします」

 安倍首相「え!?」

 記者「就任3ヶ月ですが、意気込みをお願いします」

 安倍首相「今までと同じように結果を出すことに全力を尽くしていきたい」

普段はほとんど足を止めない安倍首相ですが、この日は立ち止まって意気込みを語りました。

 今のところ好調な安倍政権。それは意外なものにも表れていました。東京・靖国神社にある土産店には、安倍首相復活をイメージしたお土産がズラリと並んでいました。その商品名は“日本をトリ戻す!”に“新しい晋ちゃんまんじゅう”など。安倍首相再登板ということで、安倍首相人気があるのかどうかを店員にたずねてみると「前回のときも大変人気があったが、今回も久しぶりに自民党ということで、おまんじゅうはおかげさまで売れております」とのこと。なんと、安倍首相にちなんだお土産の売れ行きも好調でした。

 順調な政権運営の要因は何なのでしょうか。権力の中枢、首相官邸で政権のキーマン・世耕弘成官房副長官に話を聞くことができました。世耕氏は第1次安倍内閣でも首相補佐官に起用されました。安倍首相の側近として、わずか1年ほどで辞任となった、前回の政権での苦い経験も共にしています。今、政権運営が順調なのはどう見ているのでしょう。

 世耕官房副長官「順調っていうような思いは全然ないですね。この官邸で働いているものとしては毎日一生懸命、必死です。いろいろな大きいことから小さなことから、いろいろな問題が起こってきて、その調整、対応に走り回っているという状況でして」

 発足3か月をまだ入り口に過ぎないと話す世耕副長官。前回の安倍政権と変わった点をこう語りました。

 世耕官房副長官「前の官邸と今の官邸を比べて一番違うのは、やはりスタッフの経験値だと思う。前回とは違ってどこをどう押せばどういうふうに霞が関の組織が動いていくか、ある程度熟知しているメンバーが今官邸を動かしていることが非常に大きい」

 世耕氏自身も反省をいかしていると話します。

 世耕官房副長官「私が今回気を付けているのは、官僚のみなさんから“大丈夫ですよ”と言われても、やっぱり一度、政治家の目で疑ってみる、なるべく事態が小さなうちにきちっと対応を打っていく。ちゃんと事前に政府として対応をしておくということに特に今回、気を付けさせてもらっています」

 では、政権の次のねらいは何なのでしょうか。

 世耕官房副長官「今、政府で特に力を入れたいと思っているのは、健康・医療そういった分野、あるいは環境という分野、そういったところにかなり可能性が秘められているのではということで力を入れている」

 世耕氏が挙げたのは“成長戦略”。

 実際に最先端の医療機器を開発している企業を取材しました。中性子をがん細胞に照射して治療する機器を開発している会社(株式会社CICS)です。なんと、健康な細胞を壊さず、がん細胞だけを狙いうちできるうえ、それを小型化したことが最新の技術だといいます。今、安倍政権に何を望んでいるかを社長に尋ねました。

 社長「先進医療評価制度の拡充と緩和ですね。規制緩和にもつながると思うが、ぜひそれをお願いしたい。日本として世界に打って出る産業を作っていただきたいと期待している」

 まさに順調なスタートをきった安倍政権。ただ、その経済政策には実体が伴わない、インフレのリスクがある、などの批判もあります。24日、大分市での会見で民主党・海江田代表はこう述べました。

 海江田代表「アベノミクスの評価が高いからといって、その死角・副作用について指摘しないわけにはいかない。そうしたリスクについては今後も指摘していくつもりです」

 好調な株価などを維持して、このまま「経済再生」を成し遂げることはできるのでしょうか。