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カネミ油症裁判、原告側の請求棄却

2013年3月21日 22:21
カネミ油症裁判、原告側の請求棄却

 食品公害「カネミ油症」の患者らが損害賠償を求めていた裁判で、福岡地裁小倉支部は21日、「患者らが損害賠償を求めることができる権利はすでに消滅している」として、原告側の全面敗訴の判決を言い渡した。

 カネミ油症は68年、北九州市の「カネミ倉庫」が製造した食用油に有害な化学物質が混入し、手足のしびれや頭痛などの症状が出た国内最大の食品公害。裁判では、カネミ油症の新認定患者など55人が、原因企業であるカネミ倉庫に一人あたり1100万円の損害賠償を求めていた。

 判決で福岡地裁小倉支部は「原告は遅くとも1969年末までに食用油を摂取している」と判断。「その摂取の時点から20年後の89年末に請求権(損害賠償を求めることができる権利)が消滅した」と述べ、訴えを退けた。損害賠償の請求期間が20年と定めた民法の「除斥期間」の規定を厳格に適用した形。

 原告側は新認定患者の全面救済を求め、控訴する方針。