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JOC 全柔連への13年度交付金を停止

2013年3月19日 21:22
JOC 全柔連への13年度交付金を停止

 選手からの告発を受け、女子柔道の暴力・パワハラ問題を調査していたJOC(=日本オリンピック委員会)は19日、理事会を開き、全柔連(=全日本柔道連盟)への交付金を停止する処分を決定した。JOCはまた、スポーツ現場での暴力に関するアンケートの結果を公表した。

 JOCは19日、全柔連に対して組織運営のための交付金を13年度は停止する処分を決めた。全柔連によると、12年度の交付金は約2500万円だという。また、暴力撲滅などの勧告処分も科される他、今後の取り組みの状況について定期的なJOCへの報告も求められた。

 JOCの決定を受け、全柔連・上村会長は19日午後、「先程(決定を)見ました。厳粛に受け止めたい。26日に臨時理事会を、全柔連でやる予定です」と話した。

 また、JOCは、柔道以外も含む競技の選手1798人と指導者1457人の計3255人に独自に行ったアンケートの結果を公表した。

 「競技活動の際に暴力行為を含むパワハラ・セクハラを受けたことがある」と答えた選手は計206人(選手全体の11.5%)で、内訳は男性101人、女性102人、記入なしが3人だった。

 「競技活動の際に、暴力行為を含むパワハラ・セクハラを行ったことがある」と答えた指導者は計43人(指導者全体の3%)で、内訳は男性36人、女性4人、記入なしが3人。

 また、「パワハラなどを見たことがあるか。うわさで聞いたことがあるか」との調査も行われ、選手の25.5%、指導者の29.1%が何らかの形で暴力を認識していたことがわかった。

 さらに、選手個人の意見も公開された。「当時は精神的苦痛がとても大きく、引退を決めた理由の一つでもありました」「自分が経験しましたが、それによって強くなったとは思いません」「ただのコーチのストレス発散としか思えない」「精神的な苦痛、競技ができる状態ではない。自分が競技をやめたら楽になる、死んだら楽になるのかなと。同じ空間にいることすらも耐えられない苦痛。その中にいても競技に集中できるわけがない。ゴミのように言われ、存在すら否定される」といった声が寄せられていた。

 中学生から60歳代以上にまで広く行われたアンケートには、競技活動の場における実態が表れていた。

 JOCの調査では、女子柔道・園田隆二前監督の具体的な言動が明らかになった。暴力的行為をした際、外国人が止めに入ることもあったことや、選手に対して「たたかれないと動けないなら、家畜と一緒だ」「ブス」「ブタ」「死ね」「消えろ」など個人の尊厳を著しく傷つける発言があったという。