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大きなチャンス~首相がTPP交渉参加表明

2013年3月16日 0:24
大きなチャンス~首相がTPP交渉参加表明

 安倍首相が15日、TPP(=環太平洋経済連携協定)の交渉に参加することを正式に表明した。安倍首相は「我が国の経済には全体としてプラスの効果が見込まれる」「ピンチではなく、むしろ大きなチャンス」と、その意義を強調した。

 安倍首相「本日、TPP、環太平洋パートナーシップ協定に向けた交渉に参加する決断をした。今がラストチャンスです。この機会を逃すことは、すなわち日本が世界のルール作りから取り残されることに他なりません。攻めの農業政策により農林水産業の競争力を高め、輸出拡大を進めることで成長産業にしていく。そのためにもTPPはピンチではなく、むしろ大きなチャンスです」

 安倍首相はまた、交渉に参加した場合、既に合意されたルールがあれば、遅れて参加する日本が変更を求めるのは難しいことを認めた上で、「だからこそ早く参加しないといけない。日本が参加すれば、必ず議論をリードできると確信している」と強調した。

 また、農業関係者などから不安の声が上がっていることを受けて「皆さんの懸念や不安を心に刻んで交渉に臨む。日本の農を守り、食を守ることを約束する」と述べ、国民に対しては「状況の進展に応じて丁寧に情報提供することを約束する」と明言した。

 一方、国益を守れないと判断した場合にTPP交渉から離脱する可能性については、「今ここで言うのは国益に反するので適切ではない」と述べるにとどめた。

 民主党の海江田代表は15日、安倍首相の交渉参加表明を「不誠実だ」と批判した。

 海江田代表「自民党が総選挙の時に国民に約束した公約との関係で、国民に対して大変不誠実な態度だと思う」

 海江田代表はまた、「何をもって聖域なき関税撤廃ではないというのか明らかでない」とした上で、日本の国益を本当に守れるのか、国会でただしたいとの考えを示した。