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学校側「真実に向き合わなかった」~尾木氏

2013年2月1日 4:45
学校側「真実に向き合わなかった」~尾木氏

 11年、滋賀・大津市で中学2年の男子生徒がいじめを苦に自殺したとされる問題で、調査を進めてきた第三者委員会で委員を務めた尾木直樹氏は先月31日、学校と教育委員会がいじめと自殺の因果関係をなかなか認めなかったことについて、「真実に向き合うというところがなかったと言えると思います」と述べた。

 第三者委員会は報告書で、「いじめが自殺の直接の要因」と結論づけている。報告書では、学校側が自殺前にいじめを認識していたにもかかわらず、適切な対応をしなかったと指摘している。報告書によると、男子生徒が自殺する8日前に、同級生が男子生徒を殴ったという報告を受けた担任の教諭が「とうとうやったか」と発言していたという。

 尾木氏は記者会見で、「すぐ調査に入っていかなきゃいけないところがストップしてしまい、真実に向き合うというところがなかったと言えると思います。本当に子供たちを救えるような政策を日本の社会として打ち出していけるような、そのきっかけづくりがこの大津から始まってくれれば」と話した。

 男子生徒の父親は先月31日午後、記者会見を行い、「息子が亡くなってから本日までの学校、教育委員会の対応を振り返って感じることは、常に後手後手の対応であり、自らを律するといった姿勢は全く感じませんでした」「学校、教育委員会は、何を非と感じ、そこにはどのような責任があり、そして、何を反省しなければならないのか、はっきりと明言し、答えていただきたいと考えております」と訴えた。