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原子力規制委 新安全基準骨子案取りまとめ

2013年1月31日 22:00
原子力規制委 新安全基準骨子案取りまとめ

 31日、今後の原発政策を左右する原子力規制委員会の専門家会合が行われ、津波対策や航空機テロ対策を盛り込んだ新たな安全基準の骨子案が取りまとめられた。

 津波で全電源を失った福島第一原発事故の反省から、各地の原発ごとに想定される最大の津波の高さ=「基準津波」を設定して、防潮堤の整備が義務づけられる。また、それでも水が敷地内に入ってきた時に備えて、重要な設備を水から守る水密扉などの設置を求める。

 地震対策については、これまでは12万から13万年前以降の地層に限って、活断層によって動いた形跡がなければ、地震による影響はないとされていた。しかし、今後はこの年代の地層の活動性が明確に判断できない場合などは、さらに下に掘り進めて、13万から40万年前の地層を詳しく調査することが新たに求められる。この年代の地層が活動していないことが証明されなければ、その上に原子炉などを建設することは認められない。活断層の基準はこれまでより厳しくなる。

 これまで想定されていなかったテロ対策も大幅に強化する。航空機テロなどで原子炉建屋や制御室が破壊された場合に備えて、建屋から100メートル以上離れた場所に、第2の制御室や、非常用電源、冷却設備などを備えた「特定安全施設」を建設し、遠隔操作で原子炉をコントロールできるようにする。

 さらに、炉心溶融のような重大な事故が起きた場合には、格納容器の破損を防ぐために行う「ベント」にフィルターを取り付けて、外部に放出される放射性物質を最小限に抑える。