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国会召集 首相が経済再生への決意を表明

2013年1月28日 19:20
国会召集 首相が経済再生への決意を表明

 第183回通常国会が28日、召集された。安倍首相は午後2時過ぎから衆議院本会議場で所信表明演説を行い、日本経済の再生に向けた決意を表明した。また、冒頭でアルジェリアの人質事件に触れ、テロを強く非難した。

 安倍首相「無辜(むこ)の市民を巻き込んだ卑劣なテロ行為は、決して許されるものではなく、断固として非難します。私たちは今般の事件の検証を行い、国民の生命・財産を守り抜きます。国際社会と連携し、テロと戦い続けます」

 また、日本の危機を突破することは与野党全ての国会議員の責任だと訴えた。

 安倍首相「内閣発足に当たって、私は全ての閣僚に、『経済再生』『震災復興』『危機管理』に全力を挙げるよう一斉に指示をいたしました。危機の突破は全閣僚が一丸となって取り組むべき仕事です。同時に、与野党の別を問わず、国政に携わる全ての国会議員が担うべき責任でもあるはずです。この議場に集う全ての国会議員諸氏に訴えます。危機を突破せんとする国家の確固たる意思を示すため、与野党の叡智(えいち)を結集させ、国力を最大限に発揮させようではありませんか」

 その上で、「大胆な金融政策、機動的な財政政策、そして、民間投資を喚起する成長戦略という『三本の矢』で、経済再生を推し進める」「これまでとは次元の違う政策で、強い経済を取り戻す」と決意を表明した。

 また、東日本大震災からの復興については、先日の被災地視察で再会した少女の話に触れつつ、「行政の縦割りを排し、思い切った予算措置を講じて、被災地の復興と福島の再生を加速していく」と述べた。

 最後に、外交安全保障について、安倍首相は「何よりもその基軸となる日米同盟を一層強化して、日米の絆を取り戻さなければなりません。2月第3週に予定される日米首脳会談において、緊密な日米同盟の復活を内外に示していく決意です」と日米同盟の重要性を強調した。

 さらに、「国民の生命・財産と領土・領海・領空は、断固として守り抜いていく」と力を込めた他、北朝鮮による拉致問題にも言及し、拉致問題の解決に向けて全力を尽くすと強調した。

 演説の終わりには芦田元首相の「『どうなるだろうか』と他人に問いかけるのではなく、『我々自身の手によって、運命を開拓する他に道はない』」という言葉を引用し、「今ここにある危機を突破し、未来を切り開いていく覚悟を共に分かち合おう」と与野党の協力を呼びかけた。