「アラブの春」から2年 衝突で7人死亡
中東で広がった民主化運動「アラブの春」の一つ、エジプトでの大規模デモから25日で2年を迎えた。各地では政府への不満を募らせる市民と治安当局との衝突が起き、ロイター通信によると7人が死亡、450人以上がケガをした。
エジプトでは、ムバラク政権が倒れた後も混乱が収まっていない。市民の間には政府に対する不満がうっ積しており、25日も一部で衝突が起き、死傷者が出た。
アラブの春は強権政治の打倒を訴えた民主化運動だが、今回のアルジェリア人質事件ではそのマイナス面が影響したと指摘されている。アルジェリアの隣国・リビアでは、当時のカダフィ政権が周辺国から多数の雇い兵を集めたが、政権崩壊後、その雇い兵は大量の武器を持ち出し、それが今回の事件を起こしたようなイスラム過激派に流れたとみられている。
さらに、事件の実行犯はリビア国境からアルジェリアに入ったと言われているが、アラブの春による国の混乱が国境警備を弱体化させたという側面も指摘されている。
アルジェリア人質事件の背景には、地域全体の不安定化というアラブの春の後遺症が横たわっている。