×

東海第二原発訴訟で第1回口頭弁論実施

2013年1月18日 3:28

 茨城・東海村にある「日本原子力発電」東海第二原発について、東海村の住民らが国などを相手に運転差し止めなどを求めた裁判の第1回口頭弁論が17日、水戸地裁で開かれた。

 訴えを起こしたのは、地元の東海村民や県内外の市民ら266人で、国や日本原子力発電に対して、東海第二原発の運転差し止めなどを求めている。

 17日午後に開かれた第1回口頭弁論で、原告弁護団は「世界で地震頻発地帯に原発設置は日本だけ。東日本大震災で東海第二原発は施設にダメージを受けており、運転開始から34年がたつ老朽化の問題と、避難計画が必要な半径30キロ圏内には、国内で最大の約93万人が住んでおり、首都圏にも近い」と指摘し、再稼働を認めずに運転差し止めの判断をするよう求めた。

 原告の一人で99年に東海村で起きたJCO臨界被ばく事故で被ばくの健康被害を受け、PTSD(=心的外傷後ストレス障害)となった茨城・日立市の大泉恵子さんは意見陳述で、「臨界事故を風化させないために福島原発の被害者の苦しみを理解し、東海第二原発廃炉の運動に加わった。私の体験を理解して原告の納得いく判決を下してほしい」と訴えた。これに対し、国と日本原子力発電は答弁書で、原告の請求を棄却するよう求めた。

 裁判所側は、原子力規制委員会が改正を進めている原子炉等規制法について触れ、「今後の公判で改正の中身を見て原告・被告とも主張してほしい」と述べた。