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凍結精巣から生きた魚…絶滅種応用に期待

2013年1月15日 7:38
凍結精巣から生きた魚…絶滅種応用に期待

 東京海洋大学は、魚の凍結した精巣から生きた魚を作りだすことに成功したと発表した。絶滅のおそれがある種の永久保存に活用が期待される。

 今回成功した技術は、魚の精巣を凍らせ解凍したものから、精原細胞と呼ばれる細胞を取り出して、別の近縁種の稚魚に移植する。その稚魚が、成長すると元の魚と同じ種の卵と精子を作ることができるというもの。11日に行われた記者会見では、ニジマスから生まれたヤマメの稚魚が展示された。

 この技術を用いて絶滅のおそれがある魚の精巣を凍結しておけば、絶滅した場合でもよみがえらせることが可能になる。東京海洋大学・吉崎悟朗教授(46)は「いつでも絶滅危惧種をよみがえらせる環境を作っていきたい」と話している。

 研究チームは今後、絶滅危惧種の精巣を凍結し、精巣バンクを作っていく予定。