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安倍首相、橋下氏らと会談「熱意を感じた」

2013年1月11日 21:17
安倍首相、橋下氏らと会談「熱意を感じた」

 安倍首相は11日午後、大阪府を訪問し、日本維新の会の橋下代表代行(大阪市長)と松井幹事長(大阪府知事)と会談した。安倍首相は橋下氏に熱意を感じたと述べた。

 橋下氏は会談の中で、安倍首相に医療分野の規制緩和を要望した。橋下氏は「規制緩和というのは本当に、国と交渉してもなかなか進まない。まず第一の問題点が、医療品の承認機関です。PMDA(=医薬品医療機器総合機構)が東京にしかなくて、承認を得るのに、全部、東京に足しげく通わなければいけない。大阪の方にも、西日本にも(承認機関の)PMDAをつくってほしいと、ずっと言っているんですが、なかなか実現しない」と述べた。

 これに対し、安倍首相は「今おっしゃった(薬の)承認問題、私も潰瘍性大腸炎という病気だった。今でも完治はしていないんですが、決定的に効く薬が3年前に日本で認可されたんですが、世界から10年遅れたんですね」「(規制改革を)やっていきたいと思っている」と述べた。松井氏は「ぜひお願いします」と応じた。

 約30分にわたって行われた会談で、安倍首相は11日に閣議決定した政府の「緊急経済対策」を説明。この緊急経済対策を受け、15日に閣議決定する予定の補正予算案の早期成立について、日本維新の会の幹部である2人に協力を求めた。

 橋下氏は会談の終了後、補正予算案への協力について、「完全な野党で『反対、反対』はもうやりませんので、政策ごとにしっかりと議論をして、まとめるものはまとめる。駄目なものは駄目、修正をかけるものは修正をかける。当たり前の国政運営を日本維新の会は目指していきますよ」と述べた。

 松井氏も「予算のつけ方については、産業構造の転換とか方向性は同じなので、徹底した議論をしていくが、従来の野党的な発想で審議を延ばすとか、後ろ向きな議論をするとか、そういうことは維新の会はやりません」と述べ、国会では徹底した審議を行うとしながらも「方向性は同じ」との考えを示した。

 安倍首相は、11日午後5時前に取材に応じ、「(橋下氏は)大変エネルギッシュで、とにかく頑張って地域を良くしていこうという熱意を感じた。その中において、様々な規制や行政上の課題を突破していこうという熱意を感じた。私も同意できるところもありましたから、そういうところについては、協力していきたい」と述べた。

 また、安倍首相は11日午後4時半頃、神戸市にある発生・再生科学総合研究センターを訪れ、iPS細胞(=人工多能性幹細胞)の研究でノーベル賞を受賞した京都大学・山中伸弥教授と会談した。