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オバマ大統領と安倍首相、日米関係の課題は

2012年12月31日 1:22

 2期目に入るアメリカのオバマ大統領と、政権交代を果たした安倍首相。来年の日米関係の課題について、ワシントン支局・青山和弘記者がリポートする。

 2期目に入るオバマ政権最大の外交課題は、中国とうまく付き合いつつも台頭を抑えることで、日本との関係はその延長線上で語られると言っても過言ではない。来年から国防費の削減も始まる中、安全保障面で日本に相応の役割を求める圧力はますます強まりそうだ。

 一方、日本にとっても沖縄・尖閣諸島や北朝鮮の問題で日米協力は不可欠だ。アメリカが攻撃を受けた場合に日本も援助できる集団的自衛権の是非も含め、要求にどう応えるのか、長期の視点を踏まえた戦略が求められる。

 経済面では、アメリカが主導するTPP(=環太平洋経済連携協定)への参加問題が避けられない。参加国間の調整が本格化する中、日本はなるべく早い判断が求められる。ヘリテージ財団の横江公美客員上級研究員は「TPPはある意味、安全保障の面があります。アメリカが中国経済・軍事に対抗するためにTPPがあるという見方もできると思います」と話す。

 日米関係の大きな課題は、やはり首脳同士の信頼関係の構築だ。安倍首相は、オバマ大統領にとって5人目の首相となる。ライシャワー東アジア研究所のケント・カルダー所長は「何回も毎年、首相が代わって、日本サイドを信頼できるかどうか。日本からの具体的な提言、はっきりしたアジェンダ(方針)が大事」と話す。

 日米同盟の絆の強化を掲げる安倍首相は、年明けの早い段階でのアメリカ訪問を調整している。来年、再スタートとなる日米関係。緊密な連携とともに国益を守る戦略としたたかさも求められることになる。