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北海道の大規模停電 3日ぶりに全面復旧

2012年11月30日 17:57
北海道の大規模停電 3日ぶりに全面復旧

 北海道を襲った暴風雪で送電線の鉄塔が倒壊し、27日から登別市などで続いていた大規模停電は、30日午後3時45分までに全面復旧した。寒さと疲労に耐えながら不自由な生活を余儀なくされた住民は、3日ぶりに通常の生活に戻ろうとしている。

 街から信号や明かりが消えて4日目となった登別市で30日午前9時前、信号が点灯した。暴風雪で倒壊した鉄塔に代わる仮の鉄塔の建設と送電作業が、30日未明に終了したためだ。登別市や室蘭市などでは、一時5万6000世帯が停電した。

 登別市の避難所では、30日午前9時過ぎ、近所の人から「電気が通じた」との情報を得て帰宅する住民の姿が見られた。

 避難した女性「たとえ家が古くて寒くても、夜が(避難所では)ぐっすり寝られない」

 避難した女性「テレビもラジオもない。こういうときは、もっと情報を」

 停電後、1万人以上のキャンセルが出た登別市の温泉街では、30日午前5時に電気が復旧し、温泉をくみ上げるポンプが動き始めた。土産物店にも明かりが戻り、従業員が店の前の雪かきなどに追われた。

 登別市のスーパーは、電気が復旧してすぐに開店の準備を始めた。しかし、食料品は冷蔵や冷凍の必要なものが多く、午前10時の開店までに準備を終えることはできなかった。

 医療機関にも大きな影響が出た。登別市の病院は、医療機器を動かす電力はあらかじめ用意していた自家発電機で対応したが、暖房が入らなかったため、患者に毛布などを配って冷え込みをしのいだ。

 30日午後、登別市・小笠原春一市長は、避難所の周知など情報の伝達が遅れたことを謝罪した。