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11党首が公開討論会 指名討論で激論も

2012年11月30日 22:07
11党首が公開討論会 指名討論で激論も

 衆院選の公示が4日後に迫った30日、11党の党首がそろった公開討論会が行われた。各党党首が他の党首を指名する「指名討論」も行われ、自民党・安倍総裁と野田首相(民主党代表)が互いを指名し合って論戦を挑むなど、激しい議論が交わされた。

 各党党首はまず、今回の衆院選で各党が訴えたいことを主張した。

 野田首相「民主党は、これからの政治の動き『前へ進むか、後ろに戻るか』、これが問われる選挙だと考えています」

 安倍総裁「私たちに与えられた使命は、『まっとうな政治』を取り戻していくことだと思います」

 日本未来の党・嘉田代表「政治には未来を作る力があります。原発からまず卒業することです。10年後までの卒業を目指していきます」

 公明党・山口代表「今、日本は経済も外交も大変厳しい状況です。これを立て直すための日本再建が求められています」

 日本維新の会・石原代表「硬直した中央の官僚が支配しているこの国の政治を直さないと、この国は良くならんと思います」

 共産党・志位委員長「アメリカ言いなり、財界中心という古い政治のゆがみを、おおもとから断ち切る」

 みんなの党・渡辺代表「みんなの党は『闘う改革』を目指します。消費増税凍結、これはまさしく中央集権体制との闘いであります」

 社民党・福島党首「社民党は、生活再建、いのちを大切にする政治を、実現いたします。非正規雇用を立て直し、消費税増税やTPP(=環太平洋経済連携協定)参加に反対します」

 新党大地・鈴木代表「『若者に夢を』『景気回復』と『雇用の創出』を訴えてまいります。TPPには断固反対」

 国民新党・自見代表「正しい国家観と羅針盤、団結力、そして重厚な経験を持つ保守政治家がきちっとやれば、この国家でも動かせる」

 新党改革・舛添代表「何よりも景気を回復する、そしてデフレを克服する。これがないと、日本は本当に暗くなっております」

 次に、各党党首が他の党首を指名して質問する形式で行われた。

 安倍総裁が指名したのは野田首相。

 安倍総裁「14年以上、デフレが続いています。(自民党は)2%というインフレターゲットを設けて、そのインフレターゲットに向かって、ありとあらゆる手段を取っていく。(民主党は)どうやってデフレを脱却し、円高を是正させ、成長させていくか」

 野田首相「我々は、当面の物価の上昇の目標を1%に置いています。これは現実的な数字だと思います。グリーンエネルギー革命とか、医療・介護、こういうライフの分野、あるいは農林漁業競争力をつけさせるとか、中小企業とか、こういう分野に成長がこれからあると思っていますので、バラマキをやるのではなく、種まきをしながらやっていきたい」

 この指名形式の質問では、5人が安倍総裁を指名、3人が野田首相を指名した。

 野田首相が指名したのも、安倍総裁だった。

 野田首相「自民党の安倍さんにお尋ねします。確かに、TPPは国益を守る、その観点が大事です。ただ、(自民党が)アクセルを踏むのか、ブレーキを踏むのか、よくわかりません。交渉力を持ったら進めるのかどうか、明快にお答えいただきたい」

 安倍総裁「まずは、我々は交渉力をちゃんと身につけて、今、どういう問題点があるか、情報を明らかにしながら分析をし、聖域なき関税撤廃を突破できるかどうか吟味しながら、我々は外交交渉力を磨いて対応していきたい」

 続いて行われた質疑応答で、石原代表は質問に対し、29日に発表した日本維新の会の政策実例を直させると発言した。

 質問者「維新の会の代表は石原さんですが、維新の会の首相候補は誰でしょうか」

 石原代表「(代表代行の)橋下徹くんが一番ふさわしいと思いますけれど、彼は当分、(大阪)市長の席を離れるわけにいかないでしょ。他には、(国会議員団代表の)平沼赳夫さんのように、有力な自民党時代の首相候補がいるわけですから、私は平沼赳夫くんを推ばんしたいと思っています」

 質問者「核のオプションを失ってよろしいんですか。石原さんのこれまでのスタンスの延長線からいって、失ってもよろしいんですか」

 石原代表「いや、それは困ります」

 質問者「では、『(原発)フェードアウト』という維新の会の政策は、石原さんの意に沿わない政策と?」

 石原代表「『フェードアウト』って、どういうことですか」

 質問者「『フェードアウト』というのは『消滅』ですね」

 石原代表「原発をですか」

 質問者「それは維新の公約に書いてあるんですよ」

 石原代表「いや、それは違います。私はそれは、公約は直させました。ですからね、シミュレーションして、とにかくそのシミュレーションの中で原発というものの淘汰(とうた)を考えていくことでありましてね」

 質問者「(政策が)直っていませんから。直させてください」

 石原代表「わかりました」

 嘉田代表は、この討論会の前に選挙の進め方などを話し合っていた小沢氏について「私は、国民が求める政治を実現するために、小沢さんの力を使わせていただきたい。小沢さんを使いこなせずに、官僚を使いこなすことはできません」と述べた。

 この他、新党日本・田中代表は無利子・非課税の国債発行で、タンスに眠る預金を子供や孫の世代に非課税で渡し、消費を拡大させることなどを訴える予定。

 衆院選は、来月4日に公示される。