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活火山対策に…遠隔操作のロボットで調査

2012年10月24日 19:27
活火山対策に…遠隔操作のロボットで調査

 火山国の日本では、人に危険が及ぶのを避けながら火山活動の研究を行うことが大きな課題となっている。そうした中、長野・浅間山で24日、遠隔操作のロボットで、活火山の防災対策に役立てようという珍しい実験が行われた。

 去年、約300年ぶりのマグマ噴火が起きた、宮崎、鹿児島県境にある霧島山の新燃岳では、火口近くに降り積もった火山灰などの特徴を把握するのに時間がかかった。このため、大雨が降る度に、地元では土石流を警戒して避難を余儀なくされた。

 人に危険が及ぶのを避けながら火山活動の研究を行うことが課題となる中、浅間山で24日、小型のヘリコプターを使ってカメラ付きの3輪ロボット(全長50センチ)を火山に降ろし、斜面を下りながら調査する実験が行われた。

 実験では、撮影ロボットをつり上げて山の斜面に落とすはずだったが、わずか4~5メートルの高さまで上がったところで、機体のバランスを崩してしまった。小型ヘリが墜落した原因は部品の疲労によるものだった。

 小型ヘリで撮影ロボットを落下させることは失敗に終わったが、標高1500メートルを超える高所で、ヘリを自動操縦する技術の確認や、電波を使って映像を送る実験は成功した。

 ロボットから送られてくる映像は、解像度もよく、山から離れているため、安全に観察ができるという。関係者は「次の火山が噴くまでに完成させて、観察できることを一刻も早く仕上げたい」としている。

 去年の東日本大震災後、国内では活動が高まっている火山もあり、住民や観光客を火山災害から守るため、一日も早い実用化が期待されている。