今年のノーベル文学賞の受賞者が日本時間１１日夜に発表され、現代中国を代表する作家・莫言氏（５７）の受賞が決まった。中国国籍を持つ中国人がノーベル文学賞を受賞したのは初めて。下馬評の高かった作家・村上春樹氏の受賞はならなかった。

　莫氏は５５年に山東省の貧しい農村に生まれ、文化大革命の混乱の中、小学校を中退、農業などを経て人民解放軍に入隊した。

　その後、８０年代に創作活動を開始。８７年に出版された「紅いコーリャン」は日中戦争時代の農村を舞台に、生命力にあふれる人々の姿を描いた。この作品は映画化され、ベルリン国際映画祭で最優秀作品にあたる金熊賞を獲得した。