前原経財相は５日、日銀に対してさらなる金融緩和を求めるため、金融政策決定会合に出席した。しかし、日銀は追加の金融緩和は決めず、現状維持とした。

　経財相が日銀の金融政策決定会合に出席するのは９年半ぶり。日銀は、デフレ脱却に向けて、当面の物価上昇率のメドを１％にするという目標を２月に決めたが、まだ達成できていないことから、前原経財相はさらなる金融緩和を促したとみられる。

　前原経財相は今回の出席について、「デフレが克服できていないことへの危機感を示したかった」と語った。

　政府は、消費増税の最終的な判断をする来年の秋の前に、景気回復が経済指標に反映されるよう結果を出したい考え。しかし、日銀は５日の金融政策決定会合で、現在の状況について「緩和した状態にある」と判断し、追加の緩和を行わず現状維持とすることを全員一致で決めた。