自民党の新しい幹事長に、安倍総裁と決選投票を争った石破前政調会長が内定した。この後、安倍・石破両氏は他の執行部人事について話し合うことにしていて、２８日には主要なポストを発表する考え。

　安倍政権時代には側近議員で周りを固める人事が「お友達内閣」と批判されたが、今回は選挙のための強力な布陣を敷けるかどうか安倍総裁にとっての最初の試金石となる。

　安倍総裁は「総裁選で党員の高い支持を得たのが石破さんでした。当然、石破さんに事実上の党の軸として、国会、そして来たるべき総選挙において大活躍していただきたいという期待を込めて幹事長にお願いした」と述べた。また、総裁選に出馬した他の候補者の処遇について「これから政権を奪還していく長い戦いの中で、それぞれ皆さんに活躍してほしい」と述べ、党役員人事で処遇するかどうかは明言を避けた。

　石破氏が総裁選で過半数の党員票を獲得したことなどを受けての幹事長起用だが、党内からは、脱派閥を打ち出してきた石破氏が「党内をまとめられるのか」との懸念の声も上がっている。

　また、幹事長と共に選挙を取り仕切る選挙対策局長は河村建夫氏を留任させる方向で調整している。