×

再選の野田首相、党役員人事に着手へ

2012年9月21日 19:37
再選の野田首相、党役員人事に着手へ

 民主党代表選挙の投開票が21日に行われ、地方議員票や党員・サポーター票に加え、国会議員らによる投票の結果、有効ポイントの3分の2を超える818ポイントを獲得した野田首相が、大差をつけて再選を果たした。野田首相は、早速、人事に着手する考え。

 圧勝で再選を果たした野田首相に笑顔はなかった。民主党からの離党者が後を絶たず、総選挙に向けた党の立て直しが喫緊の課題だからだ。野田首相は再選後、早速、党役員人事に着手する考えを表明した。

 野田首相は会見で「24日の夕刻には(国連総会出席のため、アメリカ・)ニューヨークに向かいます。それまでの間に、特に執行部の中でも枢要な役割については選任をして、それからニューヨークに向かいたい。きょうの夕方にでも輿石幹事長とよく相談し、これからの党運営、意見交換をしながら、まだ具体的に何かは決めてないが、自分なりの考え方をまとめていきたい。ベテラン議員も若い議員も底力を持っている方が多いので、適材適所というものを考えていきたいと思う」と述べ、この後、輿石幹事長と首相公邸で会談した。人事方針を相談したとみられる。

 党役員の人事は、26日の自民党総裁選挙の結果を見てから行うだろう、との見方も党内にはあったが、野田首相は先手を打って人事に踏み切ることを決めた。24日に国連総会に出席するため、ニューヨークに出発する予定で、野田首相はそれまでに人事を決める考え。

 党役員の人事で最大の焦点となるのは幹事長ポスト。野田首相は会見で、「どちらにせよ、選挙はそんな遠くない将来に間違いなくある」と述べた上で、選挙対策に力を入れる考えを強調した。「選挙の顔」となり、全国各地で陣頭指揮を執る役割となる幹事長ポストを重視していることをうかがわせたわけで、野田首相に近い関係者は、仮に輿石幹事長が替わる場合は、幹事長ポストには「自分の選挙が強い人」という条件を挙げている。野田首相の信頼が厚い岡田副総理の他、知名度のある前原政調会長の名前も挙がっている。また、安住財務相の名前も挙がっている他、代表選への出馬を見送った細野環境相を抜てきするのではないか、との声もある。

 野田首相は、民主党を「日本を元気にするためのチーム力強化を目指す」と宣言した。さらなる離党者を出さないためにも、どういう態勢を作れるか。今回の人事は大きな試金石となる。