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民主党と自民党、党首選びの動きが本格化

2012年8月30日 19:19
民主党と自民党、党首選びの動きが本格化

 29日の野田首相に対する問責決議の可決を受け、野党は国会審議に応じず、国会は事実上空転している。その一方で、民主党と自民党では、来月下旬の党首選びに向けた動きが始まった。

 約1週間の会期を残して、国会は機能不全に陥った。問責決議は可決されたが、野田首相は30日朝、引き続き政権を担当する考えを表明した。

 民主党は来月21日に代表選挙を行う予定で、これに向けて、野田首相に距離を置く議員ら約40人が30日、「民主党復活会議」の会合を開いた。会合では、初鹿明博議員が「復活会議で、本当の民主党の代表を選んで、民主党の復活をみんなで果たそうではありませんか」と述べた。この会合では、TPP(=環太平洋経済連携協定)や消費税増税への反対姿勢を鮮明にしてきた山田元農水相や、外相などを経験した田中真紀子氏を推す声が上がっていて、来月5日に野田首相への対立候補を決めるとしている。

 民主党内では、この他にも複数の名前が取りざたされているが、まとまりを欠いており、現段階では野田首相の再選が有力視されている。

 一方、自民党も総裁選挙に向けて動き始めた。総裁選挙の日程は来月14日に告示、26日に投開票で固まった。当面の焦点は谷垣総裁の動向で、谷垣総裁は30日午前、北海道・苫小牧市で「参議院は首相を迎えて審議することができなくなった。この事態を乗り越えるために、野田さんは一体何をなされるのかが問われてくる」と述べた。

 来週の国会会期末までに解散に追い込むと主張してきた谷垣総裁だが、政府・与党内では「今の国会での解散はなくなった」との見方が強くなっている。このため来週以降、厳しい立場に追い込まれる可能性がある。

 自民党内では、林芳正政調会長代理が29日夜、出馬に意欲を示した他、石破前政調会長と町村元官房長官が出馬に意欲を示している。また、安倍元首相も出馬を検討している他、谷垣総裁が出馬しない場合は、石原幹事長が出馬する可能性もある。