１１月のアメリカ大統領選挙に向けた野党・共和党の全国大会は２８日、ロムニー前マサチューセッツ州知事を大統領候補に正式に指名した。

　会場では、候補者指名を受けたロムニー氏の夫人・アンさんが真っ赤なドレスで演説を行った。アンさんは、ロムニー氏とのなれそめや結婚生活について語り、「オバマ大統領と比べて親しみにくい」と言われるロムニー氏の人間味をアピールした。その後、ロムニー氏がサプライズで壇上に登場し、２人で壇上を後にした。

　これに先だって、党大会では選挙の公約にあたる党綱領が採択された。強いアメリカの復活を目指す方針を明確にし、「核なき世界」を掲げたオバマ大統領の核政策を「注目すべき失敗」と指摘している。

　党大会の出席者からは「世界の核兵器を全て廃棄するのは、現実的ではないと思います」「アメリカは強い国でいなくてはいけないし、共和党の方が強い国でいる方法をわかっていますよ」といった声が聞かれた。

　一方で、焦点の経済では、減税による経済成長と雇用拡大、巨額の財政赤字を削減する方針を掲げているが、その道筋は曖昧なままだ。

　国民にオバマ大統領への失望が広がる中で、「威勢のいい政権公約」がどこまで有権者の心に響くのかが今後の焦点となる。