×

日朝の政府間協議、4年ぶりに始まる

2012年8月29日 17:48

 終戦前後に北朝鮮で死亡した日本人の遺骨収集問題で、4年ぶりとなる日本と北朝鮮の政府間協議が29日午後、中国・北京で始まった。北朝鮮は、対話路線をちらつかせることで将来の日本からの経済支援を狙っているものとみられる。一方、日本政府が求める拉致問題の進展は難しい状況となっている。

 協議は、日本時間29日午後4時から在北京日本大使館で始まった。日本からは外務省・小野北東アジア課長、北朝鮮外務省からは日本担当のユ・ソンイル課長が出席している。

 日本政府には「金正恩体制になり、対話路線にシフトする可能性がある」という期待感もある。しかし、北朝鮮側はテーマを遺骨問題に限定したい考え。日本政府は拉致問題についても話し合う方針だが、北朝鮮側は「必要のない臆測と誤解を招いている」と反発している。

 民主党政権以降、拉致問題で目に見える進展はなく、野党からは「野田政権の動きからは具体的な戦略が見えない」と批判も出ている。今回も、しばらくは「腹のさぐり合い」だけが続くことになりそうだ。