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「近いうち解散」はいつ?解釈それぞれ

2012年8月14日 19:49
「近いうち解散」はいつ?解釈それぞれ

 野田首相が「政治生命をかける」と宣言していた消費税増税法などが先週、ついに成立。それに先立ち民主・自民・公明の3党・党首会談が行われました。法案成立への協力の見返りに自民・公明が求めたのは、衆議院の解散です。野田首相は8日、「一体改革関連法案が成立した暁には近いうちに国民に信を問う」と発言しました。3党で合意した衆議院解散の時期は「近いうち」。しかし「近いうち」とは一体いつのことなんでしょうか?野田首相は10日の会見で「近いうちにという意味はそれ以上でもそれ以下でもない」と話していましたが、これではさっぱり分かりません。そこで「近いうち」とはどれくらい先のことだと思うか、街で聞いてみると、ある男性は「近いうちは2、3日。1週間以内ですね」と、またある女性からは「近いうちは2、3か月」という声もあがりました。さらに「近いっていうのは1か月ぐらいなんじゃないですか」という男性も…。

 それでは永田町では、どう受けとめているのでしょうか?自民党・石原幹事長は「近いうちに解散すると総理が自ら言われたので、念頭にあるのは10月だ。9月8日まで会期があるので、野田さんに解散します、というようなことを言わせる状況を作っていくのが幹事長としての仕事だ」と語りました。また、公明党・井上幹事長は「近いうちにというのは1日も早く信を問うべきという考えです」と話しています。野党からは早い時期の解散を求める発言が目立ちます。

 一方の与党・民主党はどうなのでしょう?民主党・輿石幹事長は「すぐ解散のできる状況ではないでしょ」と語り、さらに民主党・前原政調会長は「特例公債、定数削減の法案、そしてしっかり景気を良くするための補正予算をしっかりやったうえで信を問わせてもらいたい。秋の臨時国会でそういう議論ができればいいと思う」と話しました。直近の解散には否定的で「秋以降に」という声もあがっています。また9日に行われた民主党の代議士会で、中山義活議員は「樽床幹事長代行に、近いうちに飲みに行こうと何回も言いましたけれども、1年以上待たされております。そういう面では、樽床幹事長代行の近いうちは、まあ1年ぐらい」と、こんな発言まで飛び出しました。さすがに本当に「1年先」と思っている議員はほとんどいませんが「近いうち」の解釈は与野党で微妙に違うのです。

 野党自民党では野田政権の支持率が低迷するいま、できるだけ早く解散総選挙に追い込もうというのが大勢です。一方、民主党内では支持率が低い中での解散は避けるべきとの主張に加え、赤字国債発行法案や補正予算などの政策課題を仕上げるためにも、秋以降にすべきという主張も多いのです。こうした違いがある中で「秋までには解散」という見方が、広がっています。そんななか自民党・小泉進次郎議員は「解散というのは勝ち取るものだから。あまり解散を求めるのではなく、もう解散をしなきゃなと、野田首相にそう思わせなきゃいけない」と発言しています。お盆休みも明ける来週からは国会も動き出します。いまの国会中に解散となるのか。与野党のつばぜり合いが激しくなりそうです。