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運転手の異常感知…バス事故防止で試験運行

2012年8月2日 21:10
運転手の異常感知…バス事故防止で試験運行

 相次ぐバス事故を防ごうと、運転手の異常を自動的に感知するシステムを設置したバスの試験運行が2日、北海道で始まった。実際に営業しているバスで試験的な運行をするのは、全国でも初めてだという。

 これは、北海道中央バスと北海道運輸局などが共同で試験運行を始めたもので、自動車部品メーカーが開発した赤外線を使ったカメラで、運転手のまばたきの早さや回数などから、眠気や疲労の兆候を事前にキャッチし、事故を防ぐのが狙い。

 今年4月、関越自動車道でツアーバスが壁に衝突し、7人が死亡した事故の原因は、運転手の居眠りだったことがわかっている。2日も、東北自動車道で、体調不良だったツアーバスの運転手が事故を起こし、乗客ら31人が軽いケガをしている。

 来月まで行われる試験運行では、それぞれの時間帯や道路状況での運転手の変化をデータとして集める。北海道中央バス・田島健保安課長は、「北海道は長距離のバスもあるし、都市部の市内線も貸し切りバスもある。色んな環境の中でのデータをとることができる」と話している。また、運転手の男性は「普及してくれれば良い。私たちも健康管理をしていかなければならない」と話した。

 北海道中央バスなどは今後、カメラが異常を検知した時に座席を振動させて運転手に知らせるシステムの開発も検討し、来年に本格的な運用を目指す。