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福島第一で作業の男性、給与ピンハネを訴え

2012年7月28日 0:33

 去年、福島第一原発で働いた男性が、契約先と自分との間にいくつもの会社が入った「多重派遣」の末に、給与をピンハネされた可能性があるとして、東京労働局などに訴え出た。

 弁護士によると、去年7月から8月にかけて、福島第一原発で、放射性物質を含む汚染水の処理などの作業にあたった長崎県出身の男性が、給与が契約より少ないとして、契約書を交わした建設会社に、不足分と危険手当など計63万円の支払いを求め、去年12月、労働基準監督署に申し立てたという。

 その後、男性と建設会社との間には、3つの会社が入っていた可能性があることがわかり、男性は、「多重派遣」を禁じた労働者派遣法違反だとして、今月、東京労働局などに申告した。

 弁護士は、国がこれまで、原発作業員の「多重派遣」を放置し、下請け会社に作業員の安全管理を任せてきた「構造的な問題だ」と指摘し、仕事を発注した電力会社が下請けの作業員も含めて責任を負うよう、法律の改正が必要だと訴えている。