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星出飛行士が搭乗のソユーズ、打ち上げ成功

2012年7月15日 14:45

 宇宙での長期滞在を目指す宇宙飛行士・星出彰彦さんが搭乗する宇宙船「ソユーズ」が日本時間15日午前11時40分、カザフスタン・バイコヌールから打ち上げられた。ソユーズは順調に飛行し、打ち上げから8分45秒後に、予定されていた軌道に乗った。この時点で打ち上げは成功した。

 ソユーズは約90分で地球を1周する。最初の1周は宇宙服を着たままの状態で機材のチェックなどに忙しいそうだが、2週目以降は宇宙服を脱いでリラックスした状態で無重力を楽しむケースが多いという。去年、宇宙飛行士・古川聡さんが宇宙に行った時には、クルー全員が下着のような格好になってリラックスしたそうだが、今回は女性が1人いるのでそこまではリラックスできないと思われる。

 今回、注目されるミッションの一つは、貨物ロケットで国際宇宙ステーション(=ISS)に届けられる5個の小型人工衛星を放出するというもの。実は、国際宇宙ステーションではこれまでに3回、小型の衛星を放出したことがある。ただ、それはいずれも船外活動中の宇宙飛行士が手でつかんで後方に押し出すという、ある意味で異常に原始的な手法によるものだった。今回は、日本の実験棟「きぼう」のロボットアームを使った放出ということで、画期的な実験だと言える。

 また、メダカを使い、重力が骨に与える影響を調べるというミッションがある。水生生物を国際宇宙ステーションで飼うというのは初めてのことで、研究成果は、骨粗しょう症の治療などに生かされる可能性があるという。

 星出さんにとって今回が2度目の宇宙で、08年にはスペースシャトルで国際宇宙ステーションに行き、宇宙で14日間過ごした。この間、日本の実験棟「きぼう」を国際宇宙ステーションに取り付けるという大きな仕事を果たした。今回、2度目の長期滞在ということで、自らが取り付けた「きぼう」で様々な実験に取り組みたいということを話していた。

 ソユーズは、約2日間かけて国際宇宙ステーションに接近し、日本時間17日午後1時50分に上空約400キロでドッキングする予定。