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星出さん、宇宙へ「リラックスして臨める」

2012年7月14日 20:01

 宇宙飛行士・星出彰彦さん(43)が日本時間15日午前、ロシアの宇宙船「ソユーズ」で国際宇宙ステーションに向けて出発する。これを前に、星出さんは13日夜、カザフスタン・バイコヌールで会見に臨んだ。

 星出さん「晴れて宇宙機も準備万端、クルーも準備万端ということで、リラックスして打ち上げに臨めると考えます。軌道上のチーム、それから地上のチームで仕事をしているんだというところを、ぜひ見ていただきたいと思います」

 星出さんは、ロシア・モスクワ郊外の「星の町」での最終訓練を終え、今月2日に、打ち上げ基地のあるバイコヌールに入った。バイコヌールは、ロシアがカザフスタンから年間約900億円で町ごと借り上げ、ロケットの打ち上げ基地として活用している。

 バイコヌール到着から打ち上げ当日までの2週間、宇宙飛行士らの最大の仕事は自身の健康管理といわれている。しかし、星出さんらクルーは、宇宙船の取り扱いや緊急事態への対応など、確認作業に時間を費やしたという。また、休日には、3人のクルーがそろって市内の宇宙開発博物館を訪れ、宇宙飛行士の伝統に従って壁にサインした他、時にはビリヤードや卓球を楽しむなど、リラックスした時を過ごした。

 星出さんは今回、様々な任務を行う。その1つ目が小型衛星の放出実験で、一辺約10センチの大きさの人工衛星を日本の実験棟「きぼう」のロボットアームを使って宇宙空間に放出する。

 2つ目は骨粗しょう症の研究だ。宇宙の無重力空間では、地上よりも骨の量が減ってしまうため、宇宙に長く滞在する宇宙飛行士にとって骨粗しょう症は大きな課題となっている。この研究では、メダカが使われる。紫外線を当てると骨をつくるのに必要な細胞が光るようになっているメダカで、宇宙でメダカの骨の変化を知ることによって、骨粗しょう症のメカニズムをさらに解き明かそうという狙い。

 星出さんは08年6月、スペースシャトル「ディスカバリー」で最初の宇宙に旅立った。14日間の滞在中には、「きぼう」を国際宇宙ステーションに設置するなど、重要な任務を成功させている。今回は2度目の宇宙で、初めての長期滞在となる。“長期滞在の先輩”である若田光一さんや古川聡さんも、地上からエールを送っていて、若田さんは「これまでの訓練の成果を出して、いい仕事をしてきてもらいたいと思います」と話した。

 星出さんは日本時間15日午前3時過ぎには起床し、打ち上げ用のスーツに着替えた後、ロケットに乗り込む予定で、打ち上げは日本時間15日午前11時40分の予定。