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将来の原発依存度めぐり、意見聴取会始まる

2012年7月14日 21:45
将来の原発依存度めぐり、意見聴取会始まる

 30年の原発比率など、政府が示したエネルギーの選択肢について、さいたま市で14日、意見聴取会が始まった。意見聴取会には抽選で選ばれた9人が参加し、これらの選択肢について意見を表明した。

 政府が示した30年の原発依存度は、いずれも福島第一原発事故前の目標より低い「0%」「15%」「20~25%」の3つの選択肢がある。

 「0%」の支持者からは「人類は核を制御できないことを、福島第一原発事故で知りました。原発を進めていくことはあり得ないと思う」という意見が聞かれた他、「20~25%」の支持者からは「家計と雇用を守るという観点からいうと、原発依存度を一定程度維持する20~25%を選ぶべき」といった意見があった。

 また、「15%」の支持者は「30%近くを再生エネルギーにしていこうとしているようだが、(30年までに再生エネルギーの割合を)高められるのか、すごく危惧している」と話している。

 9人は、全員が意見陳述した後、改めて2分ずつ発言する機会が設けられた。政府の担当者はこの狙いについて、他の人の意見を聴くことで、熟慮した上での意見が導き出されると強調している。実際、参加者からも「多くの人の意見を聴いた上で判断したい」という声が聞かれた。

 一方で、意見聴取会の開催日程が決まったのは今週に入ってからで、周知不足は否定できない。

 この後、全国10か所で意見聴取会が開かれ、来月には、東京都内で国民参加型の討論大会「討論型世論調査」も行う予定。国の行く末を左右するエネルギー政策について、約1か月という短い期間で本当の意味の国民的議論ができるのかが課題となる。