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防衛相がオスプレイ配備協力要請 記者報告

2012年7月1日 1:00
防衛相がオスプレイ配備協力要請 記者報告

 アメリカ軍の新型輸送機「MV22オスプレイ」の配備について、森本防衛相は先月30日、沖縄県を訪問し、アメリカ軍普天間基地がある宜野湾市の佐喜真市長に協力を求めたが、佐喜真市長は配備に反対する考えを示した。政治部・中丸由子記者が報告する。

 森本防衛相は会談で、海外で相次いだ墜落事故について「機体には問題がない」とするアメリカ側の途中報告を説明した他、詳細な事故結果が出るまでは、日本国内で試験飛行はしないとの日米両政府の方針を伝え、理解を求めた。

 しかし、佐喜真市長は、オスプレイの配備撤回を強く求めた。さらに「事故が起きたら誰が責任を取るのか」などと迫ったが、森本防衛相は明確に返答せず、会談は平行線に終わった。

 会談後、森本防衛相は「(地元に)心配があり、反対があるのはきちっと受け止めて帰ろうと思ってます」と話した。

 アメリカ軍は、オスプレイ12機を7月下旬に山口・岩国基地に一時駐機させた後、10月初旬から普天間基地で本格運用する計画を立てている。日本政府は日米安保条約上、アメリカ側の決定を受け入れざるを得ないが、防衛省幹部は「政治判断で配備の延期をお願いしようにも、民主党政権で普天間問題が迷走し、アメリカに借りが込んでいる状況では無理だ」と苦しい実情を説明する。

 防衛政策の専門家として起用された森本防衛相だが、地元が抱く懸念を払拭する策はなく、オスプレイの配備がこう着した普天間問題をより難しくするとの見方が強まっている。