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EU首脳会議 経済成長に12兆円投入決定

2012年6月29日 12:32

 EU(=ヨーロッパ連合)の首脳会議が28日、ベルギー・ブリュッセルで始まった。拡大する信用不安を早期に食い止めるため、約12兆円を投じて経済成長を促すことが決まった。

 今回の首脳会議は、スペインとキプロスが支援を要請した直後の開催となった。深刻な債務危機に陥っているギリシャのパプリアス大統領は、民間航空会社のエコノミークラスに乗ってきたという。

 会議では、これ以上の信用不安拡大を防ぐため、これまでの財政規律一辺倒だけでなく、経済成長が必要として、雇用対策などに1200億ユーロ(約12兆円)を投じることが決まった。

 EU・ファンロンパイ大統領「成長戦略は我々の決意を示すものです。それは各国、そしてEU全体で速やかに実施すべきものなのです」

 また、ファンロンパイ大統領らがまとめた、向こう10年で経済や財政の統合をさらに深めるという提案も議題となっている。しかし、銀行の監督を一元化しようという「銀行同盟」や、国ごとに発行する国債を統一する「ユーロ共同債」といった具体案については、さらなる負担の増加を嫌うドイツなど反対している国もあり、今後の調整は難航が予想される。