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米連邦最高裁、医療保険改革法に合憲判決

2012年6月29日 7:58

 アメリカ連邦最高裁は28日、オバマ政権が1期目の最大の成果としている医療保険改革法をめぐる違憲訴訟で、合憲との判決を下した。オバマ大統領にとって大きな勝利となる。

 10年に成立した医療保険改革法は、全米で約5000万人に上る無保険者を大幅に減らすため、国民に民間保険への加入を義務づけ、違反すれば罰金を科すとしている。これに対し、野党・共和党系の26の州知事らは、法律は個人の自由の侵害で憲法違反に当たるなどと提訴していた。

 これまでジョージア州の連邦高等裁判所などで違憲判決もあったが、最終的に連邦最高裁は、民間保険への加入義務づけは議会が国民に税金を課す権利の範囲と見なし、合憲との判決を下した。オバマ大統領は「政治がどうであれ、連邦最高裁の合憲判決はアメリカ国民の勝利なのだ」と述べた。

 また、無料診療所の患者からは「多くの人が医療保険を必要としています。私も保険に入るお金がないので、ここ(無料診療所)に来ているのです」といった声が聞かれた。

 一方、共和党は依然、即時撤廃を主張している。大統領選挙でオバマ大統領の対抗馬となるロムニー前マサチューセッツ州知事は、「私は連邦最高裁の判決に反対する。私が大統領に選ばれれば、最初の日にオバマケア(医療保険改革法)を撤廃する」と述べた。

 医療保険改革法をめぐる国民の審判は、11月の大統領選挙で下されることになる。