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エジプト大統領選 モルシー氏が当選

2012年6月25日 2:19

 「アラブの春」で独裁政権が崩壊してから初めて行われたエジプト大統領選挙の決選投票の結果が日本時間24日夜に発表され、イスラム勢力が擁立したモルシー氏が当選した。

 選挙管理委員会によると、得票率はモルシー氏が51.7%、シャフィーク氏が48.3%で、モルシー氏がシャフィーク氏を破ってエジプトの第5代大統領に選出された。

 独裁政権の崩壊から1年4か月がたち、エジプト史上、初めて民主的に行われた大統領選挙で、国民(有権者)はイスラム原理主義を標ぼうする指導者を誕生させた。支持者からは「『市民のための大統領』を選べてうれしいです」といった喜びの声が上がっている。

 一方で、エジプトを暫定統治する軍とモルシー支持派の対立が激化しており、混乱も続きそうだ。軍は選挙結果の公表を前に、大統領の権限を大幅に制限する決定を下した。これに対し、モルシー支持派は、大統領を「飾り物」にして権力を維持しようとする軍の「クーデター」だと猛反発、撤回を求めて抗議集会を続行する構え。軍とモルシー支持派の衝突が起きれば、騒動は一気に拡大する可能性もあり、緊迫した展開が続きそうだ。