×

米提供の汚染地図、日本政府が公表せず

2012年6月19日 1:26
米提供の汚染地図、日本政府が公表せず

 福島第一原発事故の直後、アメリカ政府から原発周辺地域の汚染の度合いを示した地図を提供されていたのに、日本政府が公表せず、住民避難に活用していなかったことがわかった。

 アメリカのエネルギー省は、福島第一原発事故の直後の去年3月17日から20日にかけて、軍の飛行機で原発周辺の地域の放射線量を測定した。この測定結果を基に作成した地図を、外務省を通じて経産省の原子力安全・保安院と文科省に提供していた。

 地図では、福島県の飯舘村などがある北西方向に高い線量の地域が広がっていることが示されている。しかし、保安院は、情報を官邸に伝えず、これまで公表もしていなかった。飯舘村などが避難区域に指定されたのは1か月以上後で、アメリカ政府からの情報は住民避難に生かされなかった形。

 保安院は「情報が共有できず、遺憾に感じている」とする一方、文科省は「アメリカの情報を報告する立場にはなく、当時の対応に不手際はなかった」とコメントしている。